相続手続きには「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3種類の方法があり、それぞれの手続き期限があります。
1.単純承認
相続人が被相続人(亡くなった人)のプラス財産だけでなく、借金や未払金などのマイナ
ス財産もすべて引き継ぐこと。
原則10か月以内に相続税の納税が必要となります。
国税庁の統計資料によると、令和4年の被相続人数(死亡者数)は、約157万人でそのう
ち相続税の申告書の提出に係る被相続人数は、約15万人となり、全体の約10%を占めて
います。
2.限定承認
相続人が相続で得たプラス財産の範囲内でのみ被相続人のマイナス財産を引き継ぐこと。
相続人全員での手続きが必要であり、原則3か月以内に被相続人の住所管轄の家庭裁判所
への申し出が必要となります。
被相続人のマイナス財産が多い場合や、プラス財産とマイナス財産のどちらが多いか分か
らない場合に選択されるケースが多いです。
令和4年の限定承認件数は、696件と非常に少ない件数となっています。
3.相続放棄
相続人が被相続人のプラス財産もマイナス財産もすべての引き継ぎを拒否すること。
原則3か月以内に被相続人の住所管轄の家庭裁判所への申し出が必要となります。
被相続人のマイナス財産が多い場合に選択されるケースが多いです。
令和4年の相続放棄件数は、約26万件と過去最多を更新しています。
<まとめ>
相続手続きには上記3種類の方法があります。被相続人の方のマイナス財産が多い場合な
どは「限定承認」や「相続放棄」も選択肢となりますが、いずれも期限が3か月と短いこ
とから、早急な検討が必要な点はご注意ください。
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